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DMデザインと反響の関係

ターゲットによりデザインを変える

当社が自社事業において行ったDMデザインのケースを基にデザインと商品の関係について説明します。あくまで当社のサービスにおける商品とそのDMとの相性の問題もありますので一般論ではなく商品やサービス特性により異なる事を念頭に置いて下さい。

また、当社はデータマイニングの事業検証としてもマーケティングデータを収集して分析を行っています。そのため、わかりやすくするために非常に簡潔には記載していますが、全て感覚的なものではなくデータの裏付けがあります。

デザインをデータ的な視点だけで評価するケースはあまりないので、そういった意味では集客としてのデザインを評価するうえでは参考になるかと思います。

ニーズがわからない時はセールスレター形式から

新規事業等で顧客の特性が手探りな状況のケースにおいてはセールスレター形式の方が初期は無難な反響があります。実際にクレームも少なく継続的に読んでくれるケースも多いため一定の反響はあります。

セールスレター形式のケース

当社のカドウリツRENOという「不動産リノベーション事業」があります。こちらでは新規事業として7年前に事業を開始した際にはオペレーション自体がまだまだ複雑なサービスが提供しづらい状況でした。

そのため、当初は非常にシンプルなサービスだけを訴求するDMを作成していました。原状回復と言われる投資物件向けの内装工事を行う事業からスタートしました。

ターゲットとしていたのは不動産会社になります。個人のお客様ではなく不動産会社をターゲットにする事で繰り返しのリノベーション工事の依頼を受ける戦略を立てていました。

細かい工事でのニーズに対応する需要に応える内容のサービス提案の方が受けるだろうとの判断からセールスレター形式のDMとしていました。

狭いエリアに絞り不動産会社宛てに1,000通ほどDMを配信していましたが、スタートアップ事業としては十分な案件数を確保する事が出来ました。

また、セールスレター起点での反響で顧客ニーズをヒアリングする事ができたため次第に内容を絞ったセールスレターに変化をさせていきました。

説明が不要な商品はインパクトを強く

FAXDM形式のケース

FAXDMも初期から検証していたのですが、ある程度の規模の案件を受注するには郵送DMではないと難しいだろうと当時は判断しセールスレターを当初は優先していました。

ただし、同じ形式のセールスレター形式のDMですと徐々に反響が落ちてきたため、次第に簡潔に売りたいサービスをアピールする内容に変化させました。

次第にそれがFAXDMに近いデザインになってきたため、試しにFAXDMで同じデザインのDMを送付してみた所、一定の反響がありました。そのためFAXDMを大規模に展開した所かなりの案件数を受注する事ができました。

これによりFAXDMに集客ツールを切り替えて集客コストを抑えつつ事業を成長させる事ができました。この時はFAXDMという写真が使えない特性から、一言で目立つデザインを強調したDMを中心に配信していました。

多いときで都内全域の不動産会社に配信していました。なお、FAXDMに関しては使える業界が限定されるため業界特性を判断してから使用することをお勧めします。

不動産会社においてはFAXを多用する文化があるためあまりクレームは来ませんが、他の業界では大きなクレームとなるケースもあるので注意してください。

読ませるFAXDMへの反響

イラストを多用するキャッチ―なデザインのDMですがデザインを複数案作って展開していきましたが、次第に反響が落ちてきました。

そこである程度文章量を増やして、興味のあるお客さんに読んでもらう形式のDMに変更した所、反響がFAXDMを開始した当初と同じくらいに戻り始めました。

見るからにFAXDMという原稿を捨ててしまう層がある程度の文字数がある文書はしっかり読もうとする傾向があるのかもしれません。

当面はイラストメインのFAXDMとこの文字メインのFAXDMを並行して集客ツールとして使用していました。

高額帯の商品はデザインを強調してから詳細に説明

商品の進化により写真訴求が必要に

不動産リノベーション事業は当初は簡単な修繕工事がメインだったのですが、次第に大きな工事ができるようになりました。

リノベーションと言われる、マンションの一室を完全に解体して全て室内を新しく作り直すサービスを当社はデザインから施工までできるようになってきていたのです。

そのため、そういった大きな工事は客単価も高くなるため丁寧なアプローチが必要になります。その際にはやはり写真等での訴求も必要になります。

また、工事プロセスや施工品質等を丁寧に説明する必要も出てくるため、郵送のハガキDMにこのタイミングで切り替えました。

FAXDMと比較してコストは5倍以上かかりますが、それでも送付できる情報量が非常に多くなりました。それにより客単価の高い工事が受注できるようになり、広告費の上昇は充分に吸収する事ができました。

高額帯の商品やサービスは写真等のキャッチから詳細な説明へと入っていく必要があります。高級車のカタログ等がそういった意味では参考になるかもしれません。

漫画があると反響が上がる

郵送DMの反響において、原稿に漫画が入っているものとそうではないものを比較すると漫画が入っているDMの方が反響率は高いケースが多かったです。

DMに関しては興味はないけれども、とりあえず漫画だけは捨てる前に読んでくれる層が一定数いる可能性が高い事を示しています。

また、捨てずに長期に渡ってDMを保管してくれていた層もこの漫画の記載されているDMを送っていた層でした。なお、漫画自体は漫画制作用のソフトを使用して簡単に作成した4コマ漫画のみの掲載です。

あまり画像での説明を必要とせず、むしろ深い説明が必要なサービス等はこの漫画の量をもっと増やして読ませる内容のDMにすると効果が出る可能性があります。自社のサービスが少しわかりづらいケース等は漫画DMも検討していった方が良いかもれません。

Webへの誘導から問い合わせも増える

これまではDMに掲載している電話番号やメールアドレスからのお問合せが多かったのですが、最近ではスマホサイトのQRコードをDMに記載する事でWebにアクセスしたお客様からWebからお問合せを頂く事が増えました。

ネット広告経由での導入というよりも、DMを見てネットでより深い情報を見てお問合せを頂くという流れが多いです。

そういった意味ではWebはDMと異なりページ数が無制限で作れますので、当社の施工事例等は好きなだけ掲載できます。Webを巨大なDMとして使うような手法になっています。

特に非常に大きな案件のご依頼を検討されているお客様はWebも必ずチェックされますので、与信としての機能も大きいのかと思います。

大型案件が処理できるオペレーションの構築と併せて、オウンドメディア形式のWeb構築も進めていたため、結果としてお客様がご依頼しやすい集客スキームを構築できたのではないかと考えます。

まとめ

今回は実際のDMのデザインと反響に関してざっくりと説明しました。こんな程度のDMでもいいんだと思って頂ければそれで充分です。

次回以降は実際に集客を多角化するにあたり、リストの特性であったり、集計したデータの分析といったよりテクニカルな内容に入っていければと思います。